最強の音声入力ソフト『ドラゴンスピーチ11J』を使ってみました

ドラゴンスピーチ11J

このたび音声入力ソフト(音声認識ソフト)の『ドラゴンスピーチ11J 優待版(ジャストシステム)』を導入しましたので、レポートいたします。

 

パッケージの異なる2商品

前回のドラゴンスピーチ日本語バージョン(2005)から実に7年ぶりのバージョンアップです。このバージョンアップに気づいたのは今年(2012年)11月に入ってからですが、9月の末に発売されていたようですね。そこで色々調べようと思ってwebで検索してみたら、少なくとも3種類の最新版ドラゴンスピーチの公式ページがありました。

アマゾンの商品ページでは、2種類のパッケージデザインで販売されています。

ジャストシステム社ドラゴンスピーチ11J 優待版 ニュアンス社ドラゴンスピーチ 11 特別優待アップグレード 日本語版(2014年11月現在、取り扱い停止となっています)

バージョン名の「J」とパッケージデザイン等以外、ソフトウェア本体には違いがないとの情報を得て、ジャストシステム版を購入。前回の2005 Pro版はニュアンス社のパッケージを買ったのですが、サポート体制に少し疑問があったので、今度はユーザーIDを持っているジャストシステムの方に変えました。もうすぐATOKとの連携機能が登場するとの噂もあるようです。アマゾンでの販売価格もジャストシステムの方が安かったしね(^^)。

安くなった!

何よりもまず、値段がむちゃくちゃ下がったことにビックリ!

これまでのドラゴンスピーチにはセレクト版やPro版など、機能別バリエーションがありました。翻訳業務のために、英語入力機能を備える唯一の版であるPro版を買わなければいけなかったのですが、それはなんと10万円近くもしました!

今回の販売形態を見ていると、版によるソフトウェア機能上の違いはなくなったようです。具体的には、アカデミック版や優待版(クロスアップグレード)、マイク付き版などがあります。すべてに、(旧バージョンではPro版のみに搭載されていた)英語入力機能や音声コマンドカスタマイズ機能などが、標準搭載されるようになりました。

そんな最新ドラゴンスピーチが、通常版で約2万円、優待版なら約1万円で手に入るなんて、誰が許したんでしょうか(笑)!

浮気

それまで愛用していた『Dragon NaturallySpeaking 2005 Professional (ドラゴンスピーチ2005 プロフェッショナル版)』は、国内で7年間もバージョンアップがなく、Windows 7には非対応。今もWindows XPをメインマシンに使っていますが、サービスパックSP3の状態でドラゴンスピーチ2005を使用すると、エラーが出てしまいます。でもドラゴンスピーチ2005と同等の認識精度を誇る音声入力ソフトはなく、エラーを我慢しながら、使える機能だけ使っていました。

そんな状況で、他ソフトに浮気をしたくなる気持ち、わかってもらえますよね(^^;)?

日本語入力用には『AmiVoice SP(アミボイス)』を導入しました。圧倒的にボキャブラリーが不足し、自分で追加できる単語数も限られているので、フラストレーションが募ります。利点は、ドラゴンスピーチと同時に常駐できるので、併用することで、日英混じりの文章がリアルタイムで入力できること。

英語入力用には『Dragon NaturallySpeaking 11.5(アメリカ版)』が快適に使えました。が、なんと日本語OS上で修正機能が働かないという致命的な欠陥がありました!(=音声認識エンジンが誤変換から学習してくれないので、認識精度を高めにくい)

というわけで、ドラゴンくんの復活を知ったときには歓喜したわけです(o^∇^o)ノ(←この顔文字は「オカメニコマーク」として覚えさせましたw)

最初の不安

最初ドラゴンスピーチ11JをWindows XPマシンにインストールしようとすると、既に入れてあったアメリカ版をアンインストールせよとのこと。きれいに消した後で、再びインストールをしようとすると、1回だけエラーが出ました。しかも、日本語版ソフトでインストールしているのに、なぜか英語表示のガイダンス。

初期設定で日本語プロファイルを作成してからは、すべて日本語表示になり、エラーもなくなりました。前回過去のドラゴンのインストール情報が記録されていたんでしょう。

こんな不安素材が最初にありましたが、英語版のドラゴンスピーチを入れたことのない方がほとんどだと思いますので、ご心配無用ですね。

ちなみに、サブ使用しているWindows 7のノートPCにもインストール。同様の現象が発生しましたが、日本語プロファイル作成後に正常化。

※ドラゴンスピーチ11Jは、1パッケージのライセンスで、3台のPCまでインストールできます(←これは大事な情報ですが、なぜか同梱の紙マニュアルには書かれておらず、紙箱だけに明記されていました)

認識精度の猛烈な向上を体感

プロファイルを作成して気づいたのは、最初に自分の声を覚えさせるためにする声の事前登録(トレーニング)が必要ないということでした。トレーニング不要! というのはアミボイスの売りでしたが、ついにドラゴンくんもトレーニングいらずになり、とっつきやすくなりました。

ただ、少しでも認識率を上げるためには、やはり最初のウィザードでトレーニングしておいた方が良いと思います。約5分で結構です。

さっそくインストール直後に日本語で音声入力をしてみると、あまりにもの高精度ぶりにビックリしてしまいました。アミボイスに比べると雲泥の差です。メール作成時に関西弁の語法までちゃんと認識してくれるんやで! めっちゃええやん

アメリカ版のように少しずつバージョンが上がっていたら、その変化は少しずつしか感じられなかったかもしれません。でも、今回の日本語版は7年ものブランクがあったんですよ! バージョン2005の音声認識精度も高いと評判でしたが、今バージョンでは、認識率と認識スピードが確実に猛烈に上がっているのを体感できました! ボキャブラリーもパワーアップし、インストール直後に高い認識精度で音声入力できるのが魅力的!

今までのバージョンを持っている方は大満足でしょうが、それでもおそらく、これまでの癖でトレーニングをたっぷりするに違いありません(笑)。トレーニング量が多いほど精度アップすることに変わりはありませんからね。

最初に気づいた改良点

もうひとつプロファイル作成時に気づいたのは、「複数の音声ソース」というのを選べるようになったこと。

これまではパソコンにつないだマイク用のプロファイルと、ICレコーダーなどの外部録音機器から音声を取り込んで認識させるためのプロファイルとを、別々に作成しなければなりませんでした。

それが今回は同一プロファイルで複数の音声ソースが選べるとのこと。つまり、マイクでリアルタイム音声入力をしようが、外部の録音機器から取り込んだ音声ファイルで一括変換をしようが、同じプロファイルの共通ボキャブラリーが使えるということです。これまでドラゴンを使ってこられた方は、この機能が特にありがたく感じると思います。

当記事の作成手順と所要タイム

もちろんこの投稿は音声入力で作成しました。その手順と所要時間を、ここで紹介しておきますね。

  1. まずメモ用紙に簡単なマインドマップを書いて、トピックを整理しておきます。(メモタイム:3分
  2. そのメモを見ながらDPMちゃん(→「このブログについて~登場キャラ」を参照)に録音していきます。(録音タイム:13分30秒
  3. これをパソコンに取り込んで、「録音データを文字化する」という機能を使って文章にします。認識結果の文章が、ドラゴンエディタという画面に出力されます。(文字化タイム:1分30秒
  4. そのエディタ上で間違ったところを、音声再生(倍速もあり)しながら修正します。この段階では誤変換の修正のみで、推敲はしません。(修正タイム:3分
  5. そして全体をコピーして、今度はブログの編集画面に貼り付けます。そこで見出しやリンクの追加などブログ用の編集をしながら推敲します。(編集:5分、推敲タイム:10分

ということで、当記事の執筆は約40分の作業で完了。文章ボリュームが多かったので、3つのトピックは別の記事にするためにカットしました。

いかがでしょうか?

最近では、スマホの音声入力などもかなり精度がアップしてきていますね。検索する言葉を入力したり、Twitter投稿用の短文を入力したりするのには便利だと思います。でも、パラグラフ単位以上の長文を執筆するときなど、このDPMちゃんとドラゴンくんのコラボが最強だと感じています。

以上、入力作業効率化のご参考になればと思います。

ドラゴンくん、帰ってきてくれてありがとう!

おまけ(安い優待版について)

店頭でお求めの際は、「アミボイス(AmiVoice)、ビアボイス(ViaVoice)、ドラゴンスピーチ旧バージョン等のいずれかを、持っています!」と言ってくださいね。そうすると安い方の優待版が購入できます。アマゾンでは何も聞かれませんでしたが、優待版が買えちゃいました。インストール時にも何も聞かれませんでした。(ということは乗り換えやバージョンアップでない人でも優待版を買って使えるということになるのかなぁ? もしそうだとしても自己責任でお願いしますね!)

6 COMMENTS

Yunod

こんにちは。ドラゴンスピーチ11日本語版は標準バージョンでも英語入力もできるということで導入を検討しているんですが、英語入力の使用感はアメリカ版と比較していかがですか?

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福光潤

機能面・性能面は、米国版11と日本語版11Jは同等です。米国版は日本語OSとの相性が悪かった(訂正機能が使用不可)ので非効率を感じていましたが、日本語版11Jの英語入力は特許翻訳に実践レベルでバリバリ使えています。インストールされるOS言語に合わせて選択されると最大限の効果が期待できると思います。また何かありましたらご質問くださいね!

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eigo

こんにちは、偶然ですが昨日アマゾンで購入して使用しています。まだ使い方がわからず苦しんでいますが、この記事からいろいろ勉強させて頂きました。私は英語と日本語が混じったものを録音したいのですが、コツはありますでしょうか?
ちなみにプロファイルは英語選択すると全部コマンドも英語に変わり、日本語になると日本語のみになるのでどうしたらいいのか少し困っています。

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福光潤

eigoさん、コメントありがとうございます。おっしゃるとおり英日同時入力はできません。一時期、AmiVoiceで日本語、ドラゴンで英語というふうに、異なる音声認識エンジンを併用していました。日本語の認識精度を上げたいために、今はドラゴンのみ使用。日本語メインの場合(英語学習メルマガ執筆時等)は、日本語プロファイルで英語部分を他の日本語(たとえば、「ほにゃらら」)に置き換えて入力を済ませ、推敲時に英語プロファイルで「ほにゃらら」を置き換えるように入力しています。ご参考になりましたでしょうか?詳しく細かい質問でしたらメールでも結構ですので、またご相談くださいね!

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とーる店長

音声エンジン選びと日英両対応に関してこちらで確認できました。ありがとうございます。
ささやかなお礼って訳でもないですが、アフリリンクから購入させていただきました。

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